開業の準備を進めているとき、補助金の情報を調べようとすると、国の制度、県の制度、市の窓口、商工会議所と、いくつもの場所が出てきて、どこから動けばいいのか分かりにくいと感じませんか。
地域情報メディア『チガサキテラス』のエリア担当ライター、セイジです。わたしも以前、開業に際して補助金のことを調べたとき、制度の種類が多くて、最初のひとつを探すのにずいぶん手間取りました。今回は、制度の種類、相談先、確認の順番を整理します。
市の支援、国の補助金、融資との違い、開業前後で変わること、店舗型か在宅型かの違いまで、一つひとつ見ていきます。
まず見たい制度の種類はどこにある
開業補助金を調べると、国・県・市それぞれの制度が混ざって出てきます。大きく分けると、国の補助金・県の支援・市独自の支援の三層構造。どれが自分に使えるかは、開業後の年数、業種、事業規模で変わります。
最初から全部追おうとすると迷います。まず「自分は今どの段階か」を確認してから、制度の一覧を見るほうが動きやすいですよ。
市の支援と国や県の支援で違うところ
茅ヶ崎市には、特定創業支援等事業という仕組みがあります。これは産業競争力強化法に基づく国認定の制度で、市と商工会議所が連携して実施しているもの。証明書を取得すると、会社設立時の登録免許税が半額になったり、県の創業融資で信用保証料が補助されたりします。
国の補助金は公募の時期が決まっていて、申請期間を過ぎると次の回まで待つ必要があります。市の窓口はこの両方をまとめて案内できる場所、という位置づけです。
開業前と開業後で使える制度が変わる理由
迷いやすいのが、「開業前でも申請できるのか」という点です。補助金の多くは、事業を開始したあとに申請するものがほとんどですが、例外もあります。
たとえば小規模事業者持続化補助金〈創業型〉(以下、持続化補助金・創業型)は、開業後3年以内の事業者が対象で、販路開拓にかかった経費の一部を補助する制度です。開業前から準備はできますが、申請は一定の要件を満たした後になります。
どの制度が「開業前から動ける」のか、「開業後に申請するもの」なのかは、公募要領で必ず確認が必要です。
対象経費で見落としやすい点を確認する
補助金の対象経費は、制度ごとに細かく決まっています。持続化補助金・創業型の場合、広報費・機械装置費・ウェブサイト関連費などが対象ですが、人件費や家賃は対象外です。
ウェブサイト関連費はそれだけで申請できない、という条件も見落とされがちな点。補助率は経費の3分の2が基本ですが、自己負担ゼロではありません。経費の内訳を整理してから制度を当てはめる順番が、個人的には分かりやすかった気がしています。
創業計画に書くと確認しやすいこと
補助金の申請には、多くの場合、創業計画(事業計画書)の提出が必要です。何を売るか、誰に届けるか、いくらかかるかの三点を最低限整理しておくと、相談窓口での話も早く進みます。
茅ヶ崎商工会議所では、特定創業支援等事業の証明書発行に向けた相談を受け付けています。1か月以上の期間で4回以上の相談が要件になっているので、余裕を持って動き始めるのが現実的です。
相談窓口を使いやすいタイミングはいつか
窓口に行くタイミングで迷う方も多いと思います。「計画が固まってから」と思って後回しにしやすいのですが、わたしは逆で、計画が固まる前の段階で一度相談しに行ったほうが、後で動きやすかった印象があります。
茅ヶ崎市役所の産業観光課では、神奈川県よろず支援拠点と連携した無料の経営・創業相談を実施しています。毎月第1金曜日の相談日は事前予約が必要です。場所は市役所本庁舎2階で、まずここで話を聞いてもらうだけでも整理になります。

計画前でも相談できるか聞くだけでも動きやすくなりますよ
店舗型と在宅型で見ておきたい違い
店舗を借りて開業するか、自宅や在宅型で始めるかで、必要な経費の種類が変わります。店舗型は内装費や賃料が大きな支出になりますが、補助金の多くは賃料そのものを対象としていません。
在宅型の場合、経費の線引きが難しく、家賃按分や光熱費の扱いが制度によって異なります。業態と経費の実態を整理したうえで、どの制度が使えそうかを確認する流れがよいと思っています。
募集時期を見落とさないための見方
補助金の多くは年に1〜3回程度、公募の期間が決まっています。持続化補助金・創業型は2026年現在、第3回の締め切りが2026年4月30日で、次の回は公募が始まるまで待つ必要があります。
市の産業観光課や商工会議所のサイトでは、公募情報が更新されます。気になる制度があれば、ブックマークしておいて月に一度確認する習慣をつけておくと見落としが減ります。
公式情報の確認先と見つけ方
制度の内容は変わることがあります。補助率、対象経費、申請期間は、必ず公募要領や公式ページで最新情報を確認してください。
- 茅ヶ崎市産業観光課
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市役所本庁舎3階。創業相談・制度案内の窓口。よろず支援拠点と連携した無料相談あり。
- 茅ヶ崎商工会議所
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特定創業支援等事業のワンストップ相談窓口。事前予約制。中小企業相談所TEL(0467)58-1111。
- 神奈川県よろず支援拠点
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創業・経営全般の無料相談窓口。市の産業観光課を通じて予約できる場合もあります。
補助金でよくある勘違いを整理する
見落としやすいのが、補助金と融資の混同です。補助金は返済不要ですが採択が必要で、融資は借入なので返済が伴います。制度の説明を読んでいると「支援」という言葉でまとめられていることが多く、最初は区別しにくいですよね。
- 補助金:返済不要・採択審査あり
- 融資:借入・返済が必要
- 助成金:要件を満たせば支給される
- 減税・保証料補助:手続きで費用が軽減
特定創業支援等事業の証明書は補助金そのものではありませんが、融資の利率優遇や保証料の軽減につながります。制度の名前だけで判断せず、何が得られるかを一つひとつ確認するのが確実です。
向かないケースと知っておきたい注意点
補助金は「もらえれば必ず得」というわけではなく、申請作業の時間と労力がかかります。採択されなかった場合も、準備にかけたコストは戻りません。
また、補助金は後払いが基本。先に経費を支出してから申請・採択・実績報告という流れが多いため、手元の資金計画と合わせて考える必要があります。運転資金そのものには使えない制度が多い点も、公募要領で確認しておくと安心です。
動き出す前に手元でできること
今日できることは一つで十分です。茅ヶ崎市の公式サイトで「創業支援」のページを一度開いて、産業観光課の相談日程だけメモしておくだけでも、次が動きやすくなります。
わたし自身、開業のときに「まず誰かに話を聞いてもらう」という一歩が一番気持ちが楽になりました。制度の細かい要件はその場で確認すればいいので、まず予約の連絡を一本入れてみるだけでいいと感じています。
補助金の有無より、相談できる場所があることを早めに知っておくのが、開業準備の中でいちばん効いてくると思います。週末に少し時間が取れたら、市のサイトをひとつ開いてみてくださいね。
茅ヶ崎市「創業支援」ページを開き、現在の支援メニューと相談日程を確認します。
計画が固まっていなくても、現状を話すだけで案内してもらえます。
対象経費・申請期間・要件の三点を公募要領で確認して、手元にメモしておきます。











